任意整理とは〜任意整理のポイントと注意点〜

任意整理とは、約束どおりに借金の返済をできなくなった債務者が、債権者と交渉をして、返済金額や返済方法を債務者が支払える範囲内の条件にして、最終的に借金をなくす手続きです。

裁判所を利用せず、債権者と債務者とが条件の交渉をして合意します。

したがって、自己破産のような厳格な法的制約を受けることがありません。

ギャンブルによる借金など、破産した場合の免責判断に問題があるような場合にでも利用することができます。

ただし、借金が消えるというわけではありませんので、支払い可能な範囲内の条件での返済を継続する必要があります。

債権者との交渉にあたっては、将来発生する利息をカットして総債務額を確定し、たとえば３年程度の分割で支払う計画をたてます。

総債務額が確定できると支払うたびに債務は確実に減りますので、完済に一歩ずつ近づくことができます。

任意整理にはデメリットもあります。

自己破産の申立てをした場合と同様に、いわゆるブラックリストに載ることになります。業者によりますが、５～１０年程度、ローンを組んだりクレジットカードを利用したりすることができなくなります。

また、最終的に債権者との合意が必要です。

債権者によっては２年までの分割しか認めなかったり、将来利息を全部カットすることを了承しなかったりする場合があります。

そのような場合はきびしい返済条件となってしまいます。

普通に返済するよりも債務が減るとしても、毎月返済していかなければなりません。

途中で自己破産を余儀なくされると、それまでの返済がむだになってしまいます。

任意整理は、債務額が少額で、自己破産をするまでに至らないような場合に利用するのに適しています。

債権者との交渉が必要ですから、借金の整理をお考えであれば、弁護士に相談されるのがよいでしょう。