遺留分の請求方法について

1 話合いによる解決

遺留分の請求が話合いでまとまるのであれば、それに越したことはありません。

もっとも円満、迅速な解決を得ることができます。

しかし、遺留分の請求には時効があります。

話合いの途中でも、時効期間が近づいているような場合には、内容証明郵便を送付しておく必要があります。

ただ、話合いの途中で内容証明郵便を送付する場合は、それによって険悪な雰囲気となってしまわないように、相手方への配慮が必要でしょう。

2 内容証明郵便の送付

遺留分の請求には時効がありますので、時効期間の経過が迫っている場合は、内容証明郵便を送付します。

相手方に請求すれば、時効の完成が6か月間猶予されます。

口頭や手紙などで請求している場合も多いと思います。

しかし、請求したことを訴訟などで証明できる証拠とするために、内容証明郵便を利用するのです。

そしてこの6か月の間に、調停や訴訟などの準備を進めます。

3 遺留分侵害額の請求調停

話し合いがまとまらない場合は、管轄する家庭裁判所に、遺留分侵害額の請求調停を申し立てます。

管轄する裁判所は、原則として、相手方の住所地の家庭裁判所になります。

調停では、調停委員会が、申立人と相手方との主張を交互に聞きながら、話合いを進めていきます。

第三者である調停委員会が交通整理しますので、相続人同士が直接話し合いを行うよりも、道すじに沿って話合いを進めやすくなることが期待されます。

ただし、調停であっても裁判所の手続きですので、調停委員会は法律にしたがって話合いを進めます。

調停であっても、法律の専門家である弁護士に相談されるのがよいと言えます。

申立人と相手方とが合意できれば調停成立となり、調停調書が作成されます。

これは、判決と同じ効力があり、強制執行が可能です。

4 遺留分侵害額請求訴訟

調停での話合いがまとまらない場合は、調停不成立となります。

決着をつけようとすると、地方裁判所に遺留分侵害額請求訴訟を提起しなければなりません。

金銭に関する訴訟ですので、相手方の住所地だけでなく、請求する側の住所地の地方裁判所に訴訟提起することが可能です。

訴訟では、証拠に基づき、法律にしたがって裁判所が判断します。

ですから、どのような証拠を用意して、どのような法律的な主張をするかが重要になります。

訴訟をどのように進めれば良いかについては、弁護士に相談されるべきでしょう。