【著作権】設計図を渡した取引先が設計図を見て同じ物を作り,販売しています。


 基本的に,図面の著作権によって差止められるのは,その図面の複製行為に限られる。


Q.設計図を渡した取引先が設計図を見て同じ物を作り,販売しています。特許などは取っていませんが,設計図にも著作権があると聞きました。著作権で販売を差し止められませんか。

A.著作権は,著作物の創作によって発生します。そして設計図は,「学術的な性質を有する図面」として,著作物にあたる場合があります。
 しかし,「学術的な性質を有する」と限定がされているように,どんな設計図でも著作物にあたるわけではありません。それが「思想又は感情を創作的に表現したもの」でなければならず,図面に表された表現に創作性が必要です。たとえば,独特な切り取り方で内部構造を表した図面であるとか,そのような場合が考えられます。なお,設計図から製作される物に優れた創作があったとしても,そのことと図面自体の創作性とは異なります。

 次に,その設計図が独特な表現を有していて著作権が発生していた場合,その設計図をもとに製作した物の販売を著作権で差止められるでしょうか。
 基本的に,図面の著作権によって差止められるのは,その図面の複製行為に限られます。図面をもとに物を製作することは図面の複製にあたりませんので,図面の著作権を侵害することになりません。 なお,それが建築図面であった場合は,図面に従って建築物を完成することが「建物の著作権」を侵害することになります。もちろん,その建物に芸術性があって著作物と認められる場合に限ります。

 物自体に模倣をされたくない創作が含まれているのであれば,特許や意匠登録を事前にしておくべきです。また,図面をコピーされたくないのであれば,取引先に渡す前に秘密保持契約などを結んでおくべきでしょう。

2016/03/17