【遺言】遺言の趣旨が口授されたと言えず公正証書遺言が無効とされた。

◆遺言の趣旨が口授されたと言えない
との理由で公正証書遺言が無効とされた。
(大阪高裁平成26年11月28日判決)
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民法969条
公正証書によって遺言をするには、
次に掲げる方式に従わなければならない。
二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
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平成13年遺言,平成17年遺言,平成18年遺言,
平成20年遺言の4つの公正証書遺言が存在した。
原審は,平成13年遺言を除く3つの公正証書遺言について,
遺言能力を欠いていたから無効とした。
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《判決》
■ 平成13年遺言当時の遺言者に
遺言能力がなかったと言えるか

遺言能力がなかったとは言えない。

■ 平成17年遺言を遺言者が口授したと言えるか

公証人は,遺言者の意思を直接確認せず,
あらかじめ遺言公正証書案を作成していた。

これを遺言者の顔の前にかざすようにして見せながら,
遺言者に確認を求めた。
遺言者はうなずいたり「はい」と返事をしたのみであった。

平成17年遺言当時の遺言者の状況をふまえると,
見せられた遺言書案をどの程度読むことができたのか定かでない。

「はい」と返事をしたとしても,内容を理解して
そのとおりの遺言をするという趣旨の発言であるか疑問が残る。

この程度の発言で遺言の趣旨が口授されたとは言えない。

■ 平成18年遺言及び平成20年遺言を口授したと言えるか

公証人はあらかじめ遺言者の意思を直接確認しないで
公正証書案を作成した。

被相続人は全文の朗読や説明を聞いたが,
「はい」と言う返事以外に内容について何も発言していない。

遺言の趣旨が口授されたとは言えない。

■ 結論
平成13年遺言は無効と言えない。
平成17年18年20年遺言は無効。