【債権回収】事前求償権を被保全債権とする仮差押は事後求償権の消滅時効をも中断する。


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京都北山特許法律事務所 法律部門
インフォメール  No.06/2016.11.15
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◆事前求償権を被保全債権とする仮差押は
事後求償権の消滅時効をも中断する。
  (最高裁平成27年02月17日判決)
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民法第459条
 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において,
過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受け,
又は主たる債務者に代わって弁済をし,
その他自己の財産をもって債務を消滅させるべき行為をしたときは,
その保証人は,主たる債務者に対して求償権を有する。
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民法第460条
 保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において,
次に掲げるときは,主たる債務者に対して,
あらかじめ,求償権を行使することができる。
一  主たる債務者が破産手続開始の決定を受け,
かつ,債権者がその破産財団の配当に加入しないとき。
二  債務が弁済期にあるとき。
ただし,保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は,
保証人に対抗することができない。
三  債務の弁済期が不確定で,かつ,
その最長期をも確定することができない場合において,
保証契約の後十年を経過したとき。
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◆事実関係
H02.02.26 Y1=X   信用保証委託契約
      Y2=X   Y1の債務について連帯保証
H02.05.11 Y1=A銀行 限度額500万円の貸越契約
      X=A銀行 Y1の債務保証(信用保証委託契約に基づく)
      Y1←A銀行 借入れ
      Y1     分割弁済せず
H06.10.17 X     Y1の不動産:信用保証委託契約に基づく事前求償権を被保全債権とする仮差押登記
H06.11.04 Y1     A銀行に対する債務:期限の利益喪失
      X     A銀行に代位弁済→事後求償権を取得
H22.12.24 X     本件訴訟提起
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《判決》
事前求償権を被保全債権とする仮差押は,事後求償権の消滅時効をも中断する。

■ 事前求償権は事後求償権と別個の権利である(最判昭60・2・12)が,
事前求償権は事後求償権確保のために認められたという関係にあるから,
委託を受けた保証人が事前求償権を被保全債権とする仮差押をすれば,
事後求償権についても権利を行使しているのと同等のものとして評価することができる。

■ 事前求償権と事後求償権との関係からすれば,
委託を受けた保証人が事前求償権を被保全債権とする仮差押をした場合でも,
民法459条1項後段所定の行為をした後に
改めて事後求償権について消滅時効の中断の措置をとらなければならないとすることは,
当事者の合理的な意思や期待に反し相当でない。

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