【個人情報保護】法改正にどう対応するか(4)

利用目的の変更制限が緩和されました

 今回,個人情報保護法の初めての改正法が平成27年9月に成立し,平成29年5月30日に施行されました。
 中小事業者にとって重要な改正がされていますので,適切に対応することが必要です。
 今回は,利用目的の変更制限が緩和されたことについて説明します。

利用目的の特定

 個人情報を取り扱う際には,その利用目的をできる限り特定しなければなりません(法15条)。
 そしてこの利用目的については,個人情報を取得する前にあらかじめ公表しておくか,そうでなければ取得後に速やかに本人に通知するか公表しなければなりません(法18条1項)。
 アンケートなどで本人から個人情報を取得する場合は,本人に利用目的を明示する必要があります(同条2項)。

利用目的による制限

 取得した個人情報は,原則として,本人の同意がなければ利用目的の達成に必要な範囲を超えて取扱うことができません(法16条1項)。これが利用目的を特定する意味です。
 当初の利用目的を超えて個人情報を利用したいときは,利用目的を変更しなければなりません。この変更の範囲に制限が加えられていますが,今回の法改正でこの制限が緩和されました。

変更制限の緩和

 改正前の法15条2項は,変更前の利用目的と「相当の関連性」を有すると合理的に認められる範囲を超えて,利用目的を変更してはならないとされていました。
 「相当の関連性」については,当初の利用目的からみて,予測が困難でない程度の関連性があることを意味するとされていました。

 今回の改正では,この「相当の関連性」のうち「相当の」という語句が削除されました。
 そのため,予測が困難でない程度という制限がなくなり,関連性があると合理的に認められる範囲であれば,利用目的が変更できるようになりました。従来よりも情報の活用を重視した改正と言えますが,個人の権利利益の保護という観点からの批判も考えられます。
 なお,範囲を超えて利用目的を変更する場合に本人の同意が必要であるのは,改正前と変わりありません。

 利用目的を変更した場合は,変更後の利用目的を本人に通知するか,公表する必要があります(法18条3項)。