【個人情報保護】法改正にどう対応するか(7)

保有個人データの開示・訂正・利用停止,第三者提供の停止及び個人データの消去に関する改正がされました

 今回,個人情報保護法の初めての改正法が平成27年9月に成立し,平成29年5月30日に施行されました。
 中小事業者にとって重要な改正がされていますので,適切に対応することが必要です。
 今回は,データの開示・訂正等・利用停止等・第三者提供の停止等・消去に関する改正について説明します。

改正前の規定は

 改正前の法律では,個人情報取扱事業者が本人から保有個人データの開示を求められたときは,原則としてこれを開示しなければならないとされていました(改正前25条1項)。
 また本人から内容の訂正等(訂正・追加・削除)を求められたときは,調査結果に基づいて訂正等を行わなければならないとされていました(改正前26条1項)。
 保有個人データの利用停止等(停止・削除)や第三者提供の停止を求められた場合,その求めに理由があると判明すれば,利用停止等や第三者提供の停止を行わなければならないとされていました(改正前27条1項,同条2項)。

 そして,個人情報取扱事業者がこれらの求めに応じないなどがあれば,認定個人情報保護団体が本人からの申出に応じて解決を図り(改正前42条),主務大臣は個人情報取扱事業者に対して行為の中止等の勧告・命令を行うということになっていました(改正前34条)。

 しかし,本人が裁判手続きによって個人情報取扱事業者に直接請求できるかどうか明らかではなく,これを否定する裁判例もありました(東京地判平19・6・27)。

改正法による規定は

裁判上の請求権があることを明示

 改正法では,保有個人データの開示・訂正等・利用停止等・について,「保有個人データの開示を請求することができる」との規定に改め,裁判上の請求権があることを明示しました(法28条1項,29条1項,30条1項,同条3項)。

訴訟提起の手続

 しかし,この請求権に基づいていきなり訴訟を提起することはできません。
 まず相手となる個人情報取扱事業者に対して裁判外で請求し,同事業者がその請求を拒否するか,請求が到達してから2週間の経過を経なければなりません(法34条1項)。

 これは仮処分の場合も同様です(同条3項)。

個人データの消去について

 改正前の法律では,個人データについて,利用目的達成に必要な範囲内で正確かつ最新の内容に保つように努力しなければならない,と規定されていました。
 改正後は,これに加えて,利用する必要がなくなったときは,当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならないという努力義務が規定されました(法19条)。

コメント