【著作権】著作隣接権(著作権法の基本をおさらい-09-)

 今回は著作隣接権についておさらいします。
→自分のための勉強ノートを残します。

(事件名は「著作権法入門」(島並・上野・横山,有斐閣)を参考にさせていただきました。)


目次
著作隣接権
1 実演家の権利
 ①録音権・録画権
 ②放送権・有線放送権
 ③送信可能化権
 ④譲渡権
 ⑤貸与権
2 レコード製作者の権利
 ①複製権
 ②送信可能化権
 ③放送・有線放送の二次使用料
 ④譲渡権
 ⑤貸与権
3 放送事業者の権利
 ①複製権
 ②再放送権・有線放送権
 ③送信可能化権
 ④TV放送の伝達権
4 有線放送事業者の権利
 ①複製権
 ②放送権・再有線放送権
 ③送信可能化権
 ④有線TV放送の伝達権

著作隣接権

 著作隣接権とは,実演家,レコード製作者,放送事業者という情報の伝達者に対して与えられる著作権に類似した権利である。
 著作権に類似するが,著作権とは別個独立した権利であり,伝達の対象は著作物に限られない。

実演家の権利

 「実演」とは,「著作物を,演劇的に演じ,舞い,演奏し,歌い,口演し,朗詠し,又はその他の方法により演ずること(これらに類する行為で,著作物を演じないが芸能的な性質を有するものを含む。)」をいう(法第2条1項3号)。
 → 「芸能的な性質」を有すれば,著作物を演じる場合でなくても「実演」にあたる。
 → 著作権法で保護される「実演」については法第7条に規定されている。

 「実演家」とは,「俳優,舞踊家,演奏家,歌手その他実演を行う者及び実演を指揮し,又は演出する者」をいう(法第2条1項4号)。

権利の内容

1 録音権・録画権(法第91条)
 
 【原則】
  実演家は,その実演を録音・録画する権利を専有する(同条第1項)。
   →実演の『写真撮影』に著作隣接権は及ばない。 

 【例外】
  ①映画の著作物(同条2項)。
  (理由)実演家に権利を認めると映画の利用を妨げるから。
   →(例外①の例外)録音物に録音する場合(同項かっこ書)
     ex) サウンドトラック・レコード。   
  ②放送のための固定(録音・録画)(法第93条第1項)。
  (理由)放送にあたって事前に録音・録画するのが通常のこと。

2 放送権・有線放送権(法第92条)

 【原則】
  実演家は,その実演を放送・有線放送する権利を専有する(同条1項)。

 【例外】
  ①放送を同時に有線放送する場合(法第92条第2項第1号)。
   →ただし有線放送事業者は報酬支払いが必要(法第94条の2)。
  ②実演家の許諾を得て録音・録画された実演の放送・有線放送(法第92条第2項第2号イ)
   →実演家は録音録画作成の段階でのみ権利行使可能。
  ③実演家の許諾を得て映画の著作物に録音・録画された実演の放送・有線放送(同号ロ)
   →実演家は映画作成の段階でのみ権利行使可能。

3 送信可能化権(法第92条の2)

 【原則】
  実演家は,その実演を送信可能化する権利を専有する(同条第1項)。

 【例外】
  ①実演家の許諾を得て録画された実演の送信可能化(同条第2項第1号)
   →実演家は録画作成の段階でのみ権利行使可能
   ←「録音」された実演の送信可能化に対する権利行使は可能
  ②実演家の許諾を得て映画の著作物に録音・録画された実演の送信可能化(同項第2号)

4 譲渡権(法第95条の2)

 【原則】
  実演家は,実演を録音物・録画物の譲渡により公衆に提供する権利を専有する(同条第1項)。

 【例外】
  ①「3」の送信可能化権と同じ(同条第2項)
  ②適法に譲渡された録音物・録画物の再譲渡(同条第3項)

5 貸与権(法第95条の3)

 【原則】
  実演家は,実演が録音されている商業用レコードを貸与により公衆に提供する権利を専有する(同条第1項)。
   ←映画のDVDには権利なし。

 【例外】
  最初の販売日から1年を経過した商業用レコードの貸与(同条第2項)。
  ←ただし,実演家に報酬請求権あり(同条第3項)。

レコード製作者の権利

 「レコード」とは,LP,CD等,物に音を固定したものをいう(法第2条第1項第5号)。
  ←DVDのように,音を専ら影像とともに再生することを目的とするものは除かれる(同号カッコ書)。
 
 「レコード製作者」とは,「レコードに固定されている音を最初に固定した者」をいう(法第2条第1項第6号)。
  →いわゆる原盤(マスター盤)製作会社のこと。

権利の内容

1 複製権(法第96条)

  レコード製作者は,そのレコードを複製する権利を専有する(同条)。

2 送信可能化権(法第96条の2)

  レコード製作者は,そのレコードを送信可能化する権利を専有する(同条)。

3 放送・有線放送の二次使用料(法第97条)

  レコード製作者は,商業用レコードを用いた放送・有線放送事業者に,二次使用料を請求できる(同条第1項)。
   ←放送権・有線放送権はない。

4 譲渡権(法第97条の2)

 【原則】
  レコード製作者は,レコードの複製物を譲渡により公衆に提供する権利を専有する(同条第1項)。

 【例外】
  権利消尽(同条第2項)。

5 貸与権(法第97条の3)

 【原則】
  レコード製作者は,複製された商業用レコードを貸与により公衆に提供する権利を専有する(同条第1項)。

 【例外】
  発売から1年を経過した場合の例外と報酬請求権は,実演家の場合と同じ(同条第2項第3項)。

放送事業者の権利

1 複製権(法第98条)

 放送事業者は,放送・放送を受信して行う有線放送を受信して,その放送に係る音又は影像を録音・録画・写真により複製する権利を専有する(同条)。

 再放送権・有線放送権(法第99条)

 放送事業者は,その放送を受信して,これを再放送又は有線放送する権利を専有する(同条)。

3 送信可能化権(法第99条の2)

 放送事業者は,その放送又はこれを受信して行う有線放送を受信して,その放送を送信可能化する権利を専有する(同条)。
  ←放送を固定して送信可能化する行為には複製権を行使できる。

4 TV放送の伝達権(法第100条)

 放送事業者は,テレビジョン放送又はこれを受信して行なう有線放送を受信して,影像を拡大する特別の装置を用いてその放送を公に伝達する権利を専有する(同条)。

有線放送事業者の権利

1 複製権(法第100条の2)

 有線放送事業者は,有線放送を受信して,その優先放送に係る音又は影像を録音・録画・写真により複製する権利を専有する(同条)。

2 放送権・再有線放送権(法第100条の3)

 有線放送事業者は,その有線放送を受信して,これを放送又は再有線放送する権利を専有する(同条)。

3 送信可能化権(法第100条の4)

 有線放送事業者は,その有線放送を受信して,これを送信可能化する権利を専有する(同条)。

4 有線TV放送の伝達権(法第100条の5)

 有線放送事業者は,有線テレビジョン放送を受信して,影像を拡大する特別の装置を用いてその放送を公に伝達する権利を専有する(同条)。

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