【寺院・宗教法人】取扱い事例




近隣問題

A寺は,隣地の所有者から,境内の墓が自分の所有地にはみ出しているとの苦情を受けていました。

現場を調査すると,たしかに越境しているようにも見えました。
ただし,越境といってもせいぜい数センチ程度のことで,訴訟で争うほどとも思えませんでした。

その一方,墓の移動にはそれなりの費用が必要になるため簡単に応じるわけにもいかず,トラブルになっていました。

相談を受けて,公図や登記簿を取り寄せてみました。
すると,土地の造成経緯や墓の建立年月日から,越境してるわけではない可能性も出てきました。

これを前提に相手方と交渉し,墓地使用者の承諾を得た上,相手方が費用負担してA寺が墓石を移動させるという穏当な解決に至りました。

◆墓碑には建立年が彫られていますので,資料と突き合わせていろいろな経緯を推測できる場合があります。

借家トラブル

B寺の住職は祖父から法灯を継承しました。父は寺を継がず,借家経営をして生計を立てていました。

ところが父が年齢を重ねるにしたがって,賃借人に好き放題されてしまうという困った状況になりました。
玄関を勝手に改造されたのを見かねた住職が賃借人に退去を求めましたが,高額な立ち退き料を要求されてしまいました。

そこで,弁護士がB寺の代理人として賃借人と交渉しました。
賃借人は,無断改造の責任を問わないことと引換えに1か月以内の退去を約束し,これにより早期に解決することができました。

◆弁護士に相談することで利害得失を冷静に見きわめ,早期に解決することができました。

自治会問題

C寺の住職は地域での人望が厚く,地元の自治会の役員を引き受けていました。

その地域の山ではマツタケが採れるのですが,その分配を巡ってトラブルが生じました。
本来,自治会規約に沿って解決を図るべきところですが,規約にはあいまいなところがありました。

そこでトラブルが生じないように規約の見直しを行いました。

◆すぐに相談できる弁護士がいることで,ご住職はいろいろ悩まずにすみました。

運営トラブル

A寺では代務住職が続き,その間の寺院運営がおろそかになっていました。
そのため,外から寺院運営に入り込み,会計を牛耳ろうとする人まで現れる始末でした。

これに対処するため,寺院規則をかみくだいた下位の規則を整備しました。
これにより,法律に従った運営がどういうものかを明確にすることができ,適法な運営を取り戻すことができました。

◆安易な妥協に流されず,適法な運営を貫く信念が重要です。

墓地問題

D寺に墓地がありますが,かつての上地令で国有地となった後,無償譲与の対象から漏れてそのままになっていました。

これに目を付けたのが,歴史的にはD寺の上位に位置したことのあったE寺です。
E寺は,本来の所有者は自分であると主張して,当該墓地内でのE寺による新規墓地分譲を主張しました。

歴史的にどうあれ,当該墓地をE寺が使用してきた事実はなく,E寺が本来の所有者であるとする根拠もありません。
D寺が長年にわたり管理占有してきた事実を裁判所で主張し,E寺の訴えを退けることができました。

◆全国には国有地となったままの境内地がかなりあるようです。